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(b)半国家的団体論(中間団体論) 広域自治体たる府県は国家的性格、あるいは国と市町村の中間的な性格を有しているという議論であり、これには性格の異なる二つの議論が含まれる。 ひとつは、広域自治体(たる府県)は国家的性格を有するべきだという制度改革の議論である。典型的な議論としては、「地方」制を提案した第4次地方制度調査会の答申であり、ここでは現行地方自治法上府県の事務とされたものの大半は国家的性格を有するものであり、今後さらにこの傾向は強まるから、これを完全自治体としての府県とりわけ公選知事の処理に委ねることは適当でなく、新たな中間団体により一体的総合的な行政体制を確立することが必要であるとしている5)。 もうひとつは、制度としての府県が完全自治体となったことを承認しつつ、現実の府県は国家的性格、中間団体的性格を払拭することができないことを強調する議論である。また、高等昇三氏は、制度としての府県は自治団体だが、機能としての府県は依然として権力機構としての性格を払拭しておらず、中間団体であるが故に完全自治体とはなりえないとして、最近の府県重視の地方分権論に異議を唱えている6)。 (c)機能的団体論 府県は、住民相互の共同体的な性格を有しない機能的団体であることを強調する議論である。たとえば、恒松制治氏は、府県には住民の連帯性の要素は存在せず、その組織運営は行政効率のみによって左右されるとし、現行の府県の区域が効率的でなければ府県を廃止して新しい組織をつくることが合理的だとしている7)。また、前出の田中二郎氏も、市町村は生活圏に対応する地方公共団体としてゲマインシャフト的性格が強いが、府県は経済圏に対応する行政機能団体としてゲゼルシャフト的性格を有しているとする。もっとも、田中氏は、前述のとおり、府県が広域的行政機能を適切に果たすためには住民の民意を基礎とすべきであり、府県は完全自治体であるべきだとしている8)。 (d)市町村連合論 地方自治における市町村優先の原則を前提として、府県は市町村の連合ないし連合事務局であるべきだとし、市町村に対する支援的な機能を強調する議論である。 たとえば、神奈川県知事時代の長洲一二氏は、府県を「市町村の連合事務局」と位置づけるとともに、「府県機能の純化と強化」を唱えた9)。この延長線上に立って、同氏は、
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